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画質改善プロジェクト
2005-10-04 | コスミオの特徴  |

今回は「開発者インタビュー」の第2弾です! 
コスミオの映像部分の開発を担当した3名に、コスミオの画質向上技術について話を聞いてきました。メンバーは羽山、竹崎、そして山口です。


画質改善プロジェクト


稲田:ではみなさんよろしくお願いします。まずは、コスミオの開発当初の話を聞かせてもらえますか?

竹崎:「コスミオ」というAVノートPCを作るにあたり、まず課題だったのは、AV機器としてあたりまえの性能を得ることでした。自社でAV機器も作っている我々としては、自社製のTVという良いお手本があり、それに追いつく事がまず最初の目標でした。

PCは「機能の追求」から「便利さの追求」をしてきました。そこに「キレイ」という感性的なことを取り入れるには何をしたらいいのか?
また、“TVの東芝”が作っているPCの映像がきたなくてどうする!!という思いで「画質改善プロジェクト」がスタートしました。

メンバーはPCとTVのハード、ソフト分野、それぞれの専門家で10名くらい。深谷事業所にいたTVの開発部門が、我々PC部門のいる青梅事業所へ移ってきたこともあって、より綿密な情報交換もできました。

稲田:画質改善プロジェクトではどのようなことを行ったんですか?

竹崎:まずは、PCの部門がTVの部門からいろいろ教わりました。「そもそも画質の調整とはどういうことなのか」「TVの画を作るために、まず何をしなきゃいけないのか」といった、基本的なことからですね。それらは数字だけでは表せない「感覚」や「経験」が必要な職人の領域。それがわからないとTVとしての「画作り」は出来ません。スペック上の数値を重視してきたPC部門にとっては、意識改革が必要でしたね。そうしてようやくAV機器基準での「画作り」というものができるようになりました。

TVの部門からは、色の調整の仕方を始めとして、まず何をしなければいけないのかを伝授されました。

PCの世界は定量的にものを見るのに対し、TVの世界は定性的判断が必要だということを教わりました。たとえば、「記憶色」という言葉があります。これは、人がイメージとして持っている色のことです。もうすぐ紅葉の季節ですが、「紅葉」と言うと誰でも「赤い」と思いますよね。でも、その思い浮かべている赤は実際は十人十色です。

そして、その人間のイメージによる記憶色と、TVカメラによって現実の色をありのままに記録された映像データの色が大きく食い違うと、実際は正しい色を表示しているのにもかかわらず「これはちょっと違う色だな」、と感じることになってしまいます。

稲田:なぜ現実の色を再現すると、違う色に感じてしまうんですか?

竹崎:人間はある物の色を記憶するときに、その印象と一緒に記憶するから、と言われています。たとえば紅葉は赤、桜はピンク、空は青といった感じですね。でも、実際の紅葉樹には赤以外の色も結構混ざっているし、ソメイヨシノはほとんど白に近いピンクだし、空も季節や時間、場所によっては色あせた青です。そして、人間はそれらの色を直接記憶しているつもりになっていますが、実際は「紅葉」「桜」「空」という物の印象と関連づけて色を記憶しているのです。これが「記憶色」です。大体、現実の色よりも鮮やかな色として記憶しているようです。
話で聞くだけだとなかなか釈然としないかもしれませんが、実際にその場に行って、じっくり紅葉樹やソメイヨシノを見ると印象と違った色なのが分かると思いますよ。でも、映像を見ているときは実物は目の前に無いし、みんな自分の記憶は正しいと思っていますから、映像の方が違うのではないか? というふうに感じることになってしまうのです。

稲田:う~ん。難しいですね。それはTVだけの話ですか?

竹崎:いえ、TVだけではなくて、たとえばデジカメだとカメラの中で画作りをして画像ファイルを作っています。ですから、カメラのメーカが違うと、同じ物を写しても結構違う色になりますね。一般的に実写系の映像は入力から出力の間までのどこかに画作りをいれないと、違和感が出ます。画作りを入れるポイントは分野によって違っていて、デジカメならカメラ内で映像ファイルを作る時、フィルムカメラなら印画紙に焼き付ける時、そしてTVは映像を表示する時、ですね。
ただ、デジカメの映像データは、先ほど言ったようにPCに入れる時には既に画作りされていますから、PCの中で変換する必要はありませんし、してはいけません。一方、TVは表示する直前にしないといけない。この部分が今までのPCでは出来ていなかった部分です。

稲田:なるほど。「画作り」において、みなさんが難しいと思ったのはどんなところですか?

竹崎:AV機器の場合は入力から表示まで、総合的にバランスを取っていかなければならないということですね。チューナならチューナだけを考えるのではなく、トータルに調整しないとキレイな画は出ないので。

山口:先ほどTVでは画作りのために色を変換しているという話がありましたが、PCの場合はTV以外の映像も、扱わなければなりません。何でもかんでも画作りを入れれば良いというわけではないんです。たとえば、スキャナで取り込んだデータをPC上で表示したり印刷したりする場合、スキャンする物と同じ色を正確に再現できないと困りますよね。これは「カラーマネージメント」といわれるもので、従来のPC上の画像データはすべてこの正確な世界で管理されています。ここに突然、「人間の感性に合ったイメージを再現しろ」といわれるわけですから、当初は本当に毎日が勉強会という感じでしたよ。

PCの世界では「カラーマネージメント」という言葉がよく使われますが、実は「画作り」と「カラーマネージメント」というのは全然違っていて、カラーマネージメントというのは、スキャンしたデータをそのままの色で出力したりと、「正確な色を出す」ことを意味します。つまり、正解がある世界なんですね。それに対して、TVの画とは正解のない世界で。たとえばタレントがTVに映っていても、視聴者のほとんどはそのタレントの実際の肌の色を知りません。「正しい画」というのは無くて、「いかに違和感が無く自然な、心地良い画を作るか」という部分なんです。

羽山:ただし、TVの画作りをそのままPCに適用すれば良いかというと、そうもいかないんです。WindowsというOSは、カラーマネジメントに関しては強く意識していて、そのれはOSの機能としてけっこう入っているんです。でも、「画作り」機能というのは入っていません。画作りをしようとすると、かえってその機能が邪魔になって、なかなか整合性が取れないんです。プラスアルファで何かをしようと思ったら、Windowsの外で何かやらなきゃいけない。そのための技術が「QosmioEngine」なんです!

とても一回では語りつくせないほど、盛り上がったインタビューでした。この続きは次回お送りします。

どうぞお見逃しなく!

2005-10-04 | カテゴリー: コスミオの特徴  |
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