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Windows上での高画質化について苦労したこと
2005-10-06 | コスミオの特徴  |

前回に引き続いて、コスミオの映像部分の開発を担当した3名へのインタビューをお送りしましょう! 今回はさらに、コスミオの画作りのヒミツに迫ってみました。


稲田:「QosmioEngine」について、もう少し詳しく解説してもらえますか?

羽山:コスミオの画作りはWindowsの世界はPC、QosmioEngineの世界はTV、この2つがあいまって成り立っています。前回お話したようにWindowsには「画作り」という機能はありません。といって単に画作りの機能(QosmioEngine)を追加すればいいというわけでもありません。
新しい機能を作るだけではなく同時にWindowsとの互換を保ち、さらにWindowsのユーザインタフェースとすり合わせる必要があります。

そのためにはWindows上の機能を損なわないための多数の制約を回避しながら開発をしなければならないんです。また、標準のOSには無い機能なので、機能を単純に組み込んでもWindows上のアプリケーションで効果が出るものではありません。したがって、Windows上のアプリケーションで利用できるようにするために、専用のBIOSとドライバの新規開発が必要になります。当然、このBIOSやドライバがWindowsの動作に影響を与えないようにすることも必要です。

東芝はBIOS、ドライバ、アプリケーションを自社で開発しているので、Windowsとの互換を保ちつつWinodws上でQosmioEngineという機能を実現することができるのです。

稲田:QosmioEngineには16の高画質化機能がありますね。

羽山:はい。このひとつひとつの機能ごとに細かく調整していくのです。だいたい1機能につき約10個ずつのパラメータがあります。つまり、全部で160項目くらいのパラメータがあるので、それらを調整していきます。また製品によって液晶パネルの特性に違いがあるので、どのコスミオを見ても同じ画になるようにする細かな調整も必要です。さらに、同じ東芝の製品として液晶TVの色とコスミオの色とが違うことは許されないと思うので、毎回自社製の液晶TVとコスミオの画面を見比べ調整します。またモノスコープを使って画面のひずみなどの調整も行っています。

モノスコープでの画面調整
モノスコープでの画面調整


そして、調整というのは数値でできる部分もあるんですが、最後は人間(専門家)の感覚が頼りになります。最終的にTV部門の技術者が肉眼で画質をチェックし、OKかNGかを判断していきます。経験と感覚が全てなので、一朝一夕に身につけることができる技術ではありません。ノイズ軽減などの映像の入り口部分から、各種補正技術、そして実際の映像出力部分まで、地道に調整していくんです。PCの技術者がデータに基づく数値化での評価・管理を行いTV技術者が豊富な経験と感覚をもって更に判断しそれをまた数値化、調整して初めてOKサインが出るんです。

竹崎:そういう意味では、QosmioEngineだけでなく、入力部分であるテレビチューナにも力を入れていますよ。チューナはTV部門との共同開発ですし。アンテナの入力端子が筐体側面にあるとじゃまになりますよね。そこで入力端子が背面にくるように、配置したのですが、その位置では他の基板からのノイズの影響を受けやすくなることがわかりました。そこでアンテナ配線方法や筐体の設計まで見直して、出来る限りノイズを拾わないようにしました。

稲田:それでは、今回発売された新モデルの改良点を教えて下さい。

山口:これまでよりもさらに「色純度」を向上させた液晶を搭載したモデルを作りました。これによって色がより自然に、違和感なく表現できるようになっています。青はより青らしく、赤はより赤らしくといった感じで。

竹崎:たとえ色純度が低い液晶であっても、それだけを見ていればあまり気になりませんが、一回良いものを見てしまうともう元には戻れないものですよね。それはプロでなくても分かります。全体的にボーッとした色に見えてしまうんです。
 
 実は、プロジェクトが始まった当初、TV部門から開口一番に言われたのは、「PCの液晶は色がちゃんと出ていない」という事でした。そんなハズはないと思って液晶TVとPCを並べてみると、確かにPCでは特に濃い色が表現出来ていない。なぜ違うかを調べると、液晶パネルの色純度が違う事が分かったんです。これは、TVは色にこだわり、PCは高輝度・高精細にこだわっているという用途の違いから来ています。これらの両立はなかなか難しいのですが、コスミオとしてはここを是非両立させたかった。そして、今回のモデルでは一層改良が進み、高いレベルで実現できたと感じています。
この液晶を入れた試作機で映像を流したら、思った以上に今までとの差が分かって驚きましたね。これは誰が見ても分かると思いますよ。もちろん、ただ色純度を高めたパネルを持ってきただけではなくて、PCとTVの技術を融合させ、新しい液晶の性能を最大限に生かす、入力から出力までの総合的な調整が必要でした。


稲田:最後に、読者のみなさまに、「コスミオのここは是非見てほしい!」というポイントをお願いします。

羽山:コスミオが販売されている店頭などは明るいので、液晶の輝度が高いとそれだけで良く見えてしまうものですが、家庭で見るとギラギラした画だったということもよくあります。コスミオの場合は、店頭でのアピールよりも、実際にお客さまが家でご覧になったときに心地よく見られるように調整してあります。

コスミオは『落ち着いて見ることができる』画作りを心がけているので、一目ではわかりにくいかもしれませんが、店頭のコスミオで5分間程度映像をご覧になってください。じっくり映像を見比べていただければ、きっと違いを分かっていただけると思います。

2回にわたって、お届けしたインタビューでしたが、いかがでしたでしょうか?
店頭ではぜひ、お時間をかけて「コスミオ」の映像をご覧になってくださいね!

2005-10-06 | カテゴリー: コスミオの特徴  |
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