
前回お知らせしましたとおり、Qosmio AV Centerの開発などに携わったメンバーにじっくりと話を聞いてきました。
参加者は商品企画の的場さん、ソフトウエアの久保田さん、和田さん、ハードウエアの鈴川さん、デザインの吉原さん、そしてインターフェース担当の杉田さんの6名です。

現場でしか知りえない誕生秘話を、3回にわたってお届けします。
稲田:「Qosmio AV Center」の、開発プロジェクトがスタートしたのはいつ頃ですか?
的場:ちょうど1年ほど前、2004年12月でした。社内の研修開発センタにあるヒューマンインターフェースの専門部門に「使いやすさ」について相談したことが始まりです。初代コスミオのユーザテストを行った際、ユーザの方から「機能がたくさんあっても、使いやすくなければ、便利じゃない!」と言われたことがきっかけです。
それからソフトウエア、ハードウエア、ヒューマンインターフェース、デザインの各担当者、そしてカスタマー評価センター担当者を巻き込んだプロジェクトがスタートしました。従来はカスタマー評価センターの評価結果を元に製品開発をしていたのですが、今回は特にカスタマー評価の内容については重要なプロジェクト課題と位置づけ取り組みました。
稲田:開発プロジェクトはどのように進行していったのでしょうか?
的場:従来のAVパソコンの操作性の問題点は、リモコンとマウスでの操作で使える機能や操作性が異なるということでした。これではユーザーは二通りの使い方を覚えて使い分けなければならなかったのです。
そこで今回のQosmi AV Centerの操作性を考える上で最も重視した点は、リモコン操作でもマウス操作でも全く同じ使いやすさを実現するということでした。
商品企画の的場さん
ユーザがパソコンの近くにいる時はマウスで操作し、少し離れたところでリラックスして使っている場合はリモコンを使うことができる。でも使いやすさや使える機能は全く同じ、というのが当たり前なのですが今までできていなかった。
でも実際に検討を開始してみると、このリモコンモードとマウスモードを両立させるというのは、とても大変なことだということがわかってきたのです。
稲田:どのようにして、それぞれのモードの機能を両立させていったのですか?
的場:社内各部署からスタッフが集結し、年が明けてからは、コンセプトや仕様を練る日々が続きまして、終電近くまで何ヶ月も議論しました。HDD&DVDレコーダのRDをベースにすることは比較的早くに、決まっていましたので、「リモコンモード」の仕様は比較的簡単に決まりましたが、「マウスモード」の画面設計は難航しました。リモコンと同じような感覚でマウスの操作ができるようにすること、またユーザがソフトを切り替えるのではなくシームレスに違和感なくそれぞれのモードへ切り替えられるようにすることに大変苦労しました。
稲田:スムーズに移行させるためには具体的には、どのような点に苦労しました?
和田:当初の考えではHOME画面からリモコンモードになるとマウスモードに変えたくなったときに は一旦HOME画面にもどらななくてはいけない設定になってました。
これではマウスとリモコンでのシームレスな移動とはいえないと思い、どちらのモードのどの画面からでも行ったり来たりできるように、例えば、リモコンモードからマウスモードへ切り替えるボタンをつけるなど、見直しをかけました。

番組ナビのリモコンモードの画面
稲田:いちいちHOME画面に戻るのは面倒ですものね。
和田:しかしまだそれぞれの操作性に問題が残りました。
それまで、マウスモードではWindows標準の仕様にのっとった操作性、リモコンモードではリモコンを使った家電ライクな操作性と、それぞれ全く別個に考えていたのですが、両者の操作性の整合性がうまくとれなくなってきたからです。
そのため、ハードディスクレコーダのRDシリーズの家電の操作性とWindowsの操作性の両方に違和感がないような仕様の設計、画面作りが必要となってきました。
吉原:どの画面にいてもそれぞれのモードに切り替えられることによって、一気に使いやすくなりました。なおかつ、リモコン側にも、マウスモードとリモコンモードに画面を切替ができる「画面モード」という、ボタンをつけました。

久保田:そうだよねー、それも突然の仕様変更だったんですよー(苦笑)
リモコンの開発の苦労は、次回にて。
次回も引き続き、開発者インタビューをお届けします。
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